(初回相談は無料)
在職老齢年金が月51万円から65万円に引き上げられます。(令和8年度)
1 在職老齢年金とは
在職老齢年金とは、「65歳以降も会社員として働き、一定以上の収入がある場合に、年金の一部または全額がカットされる仕組み」のことです。
この制度の背景には、「現役並みの収入があるなら、年金支給を抑えて世代間の公平性を保とう」という考えがあります。年金財政の安定化が主な目的となっています。
似たような考え方に、健康保険について負担割合があります。70歳以上で一定収入以上があると負担割合が通常2割や1割であるものが3割で負担してもらう仕組みがあります。
- 年金のうち、調整の対象となるのは「老齢厚生年金」のみです。
老齢基礎年金は調整の対象外ですので全額支給されます(老齢基礎年金は令和7年度では満額だと年間831,696円)
※老齢厚生年金~会社員や公務員が現役時代に支払った保険料に応じて、原則65歳から受け取れる年金です。国民全員がもらう「老齢基礎年金」に上乗せして支給され、働いた期間や給与額が多いほど受給額が増えます。 - 支給停止される額の計算は、月額単位で行います。
- 基準額を超過した場合に調整(支給停止)されるのは年金です (給与には影響ありません)
2 在職老齢年金の仕組み


この例では、老齢厚生年金額(月:10万)と現在働いている報酬額が月46万であると仮定します。
令和7年度では控除額は51万となります。
標準報酬月額とは被保険者の月額に基づき第1級(88,000円)~第32級(650,000円)に当てはめて定められる等級を示しています。
仕組み ①老齢厚生年金額+総報酬月額相当額≦51万⇒年金の支給停止は0
②老齢厚生年金額+総報酬月額相当額が51万超える場合
基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-51万円※)÷2
上記の場合は10万+46万=56万で51万を超えていますので
年金支給額=10万(老齢厚生年金)ー(10万+46万-51万(控除額))÷2=75,000円(25,000円が支給停止になります。)
※令和8年度では65万に引き上げられます⇒報酬と老齢厚生年金の額が月額65万までなら、老齢年金の支給停止が0になります
3 令和8年度の在職老齢年金の改正について
令和8年度では支給停止調整額(控除額)が51万から65万に引き上げられました。


令和7年度では上記のパターンでは月25000円の支給停止となっていましたが、支給停止調整額が65万になったことから本来の老齢厚生年金が全額受給できるようになりました。
4 今後注意したいこと
年金制度は時代に合わせて変わるもの、という認識で年金制度への理解にあたっていただきたいと思います。
在職老齢年金の制度自体は昭和の時代からあったものです。
在職老齢年金の引き上げ額の改正はここ数年で頻繁に改正されており、今までにない状態です。
労働者の確保であったり、高齢者にも働いてもらいたい、賃金の上昇などいろんな要因が考えられますが知らないままでいることが、一番当事者にとっては損していることになります。
停止額ギリギリの報酬額であえて働いていたとしても、来年度にはまた支給調整額が引上げられる可能性はありますのでもっと働いて報酬を得る可能性がでてくることだってあります。
知らないままで、年金を支給停止されていたとなるとなかなか納得いかないのも理解はできます。しかし、いろんな政治や政策により、国の制度は日々変化しているのが実情ですので、まずは制度をよく知ることが重要になってきます。
