令和8年度働き方改革推進支援助成金の予算案とポイント│社労士が解説

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令和8年度の助成金予算案が発表され、事業主の皆様に影響がある制度変更が含まれています。
本記事では「働き方改革推進支援助成金の概要」「来年度の変更点」「社労士の観点からの今できる申請準備」を解説します。

目次

働き方改革推進支援助成金とは、生産性を向上させ、労働時間の削減や時間単位の年次有給休暇制度、特別休暇などの整備に取り組む中小事業主に助成金を支給するものです。

・左の成果目標の計画立てを実施し、かつ、右の助成対象の取り組みを1つ以上取り組みをした事業者に対して助成金を支給するというものです。

・助成額は例えば、上記の成果目標①月80時間を超える36協定の時間外・休日労働時間の設定し届け出をしている事業者は、36協定の時間外労働と休日労働を60時間以下に設定することで150万円の上限額の枠をもらえ、生産性向上に係る200万円の機器導入で150万助成できるというものです。(200万×5分の4=160万>上限額150万→150万の助成)
(注意)成果目標だけを達成しても、取り組みを行わないと助成金はもらえません。(取組は外部に支払ったものに対して助成金が支給されます)

 助成対象となる取組で⑥と⑦(生産性向上に係る機器の導入)は補助率5分の4
(補助率の高さが、この助成金のポイントです)

・上限額の加算措置に新たな項目である「割増賃金率の引上げ」が新設
 ①割増賃金率を5%以上引上げで上限額が25万加算
 ②時間外労働に対する割増賃金率50%引上げで上限額を100万加算 

・加算措置である賃金引上の上限額の増額(5%の賃上だと上限額が令和7年度は240万の加算が、令和8年度だと480万に増加

・業種別課題コースでは「所定外労働時間の削減」新設(上限額は100万)

・申請方法については過去の予算案と比べてほとんど同じ文言であることから、おおまかなスキームは例年と変わらないものと思われます。
 

・働き方改革推進助成金は予算は年々増加している助成金です。(令和6年度71億円、令和7年度92億円、令和8年度101億円)令和8年度で新設される項目の使い勝手の良さによっては、事業所内で取り組みを行うことによって、助成金の枠の上限額が引き上げられ、より大きな設備投資を行える可能性が広がります。

 働き方改革推進支援助成金以外にも、企業の賃金げや設備投資を支援する制度として「業務改善助成金」が広く活用されています。 どちらが自社の状況に最適か、比較検討されることをお勧めします。

 助成金は補助金と違い採択されるものではなく、きちんと労務環境の整え、法定書類や申請書類が不備ないようにしていたら受給できるものです。

 しかし、助成金を受給するにあたっては、要件を遵守した上で交付されます。そのためには、交付要綱やQ&A、申請書類をよく調べることが大事になってきます。申請時期、労働保険の加入、5日以上の年休取得の規程が定められていること、従業員が地域別最低賃金以上であることなど法的なルールを守っていることが前提となります。

 また、例年11月下旬まで申請が必要であることや提出書類も多数提出が必要なこと注意しなければなりません。申請件数が想定より上回り場合早めに打ち切られる可能性もあります。申請書類の様式や記載方法については大きな変更はないものと思われますので参考に今年度の申請書類等を事前に調べるなどして、計画的に申請することををおすすめいたします。

 就業規則の改正や賃金の引き上げの検討は余裕をもって準備を進めていくことをおすすめします。また、今の段階から年次有給休暇管理簿、賃金台帳や雇用契約書や労働条件通知書のなどの整備などをきちんとしておき、申請の時点であらかじめ方針を固まっていることが重要です。

資本金や従業員数の条件はどのようになっていますか?

 業種により異なります。例えば小売業なら資本金5,000万円以下または従業員50人以下、サービス業なら5,000万円以下または100人以下などです。これら「資本金」または「従業員数」のどちらか一方が基準を満たしていれば、中小企業事業主として対象になります。

「常時使用する労働者」とは?

 「常時使用する労働者の数」については、労働保険の常時使用労働者数で使用している数に準拠して記入してください。
 なお、従前より、常態として使用する短時間労働者(パート労働者等)も常時使用する労働者数に含めることとしています。

過去に同じ助成金を受けたことがありますが、今年も申請できますか?

 同一年度内は1事業主につき1コース1回に限られます。また、過去に同じ成果目標で受給している場合は、交付要綱の規定により、異なる成果目標を設定する必要があります。基本的には「1成果目標につき1回限り」の支給となる点に注意が必要です。

交付決定を受ける前に購入した機器の代金は対象になりますか?

 対象外です。助成対象となるのは「交付決定の日」以降に実施(契約、発注、支払い等)された事業に係る費用に限られます。交付決定前に着手した事業は、たとえ内容が適切であっても経費として認められないため、順序を遵守してください。

支払いを現金で行っても大丈夫でしょうか?

 原則として銀行振込による支払いが求められます。法人間売買において、領収書のみで振込記録がない場合、支払いの事実が確認できないとして助成対象外とされるリスクがあるため、通帳の写しなどで実績を証明できるようにしてください。

10人未満の事業場で就業規則がない場合、どうすればいいですか?

 労働基準監督署への届出義務がない10人未満の事業場でも、助成金申請にあたっては就業規則を作成・整備する必要があります。支給申請時には、その規則が全従業員に周知されていることを証明する「申立書」の提出が必要です。

正社員転換後の「3%以上の賃上げ」は、残業代を含めて計算してもよいですか?

 いいえ、残業代(超過勤務手当)は比較対象の賃金に含まれません 。基本給や役職手当など、月によって変動しない「固定的賃金」での比較が原則です 。

助成金で受け取ったお金の使い道に制限はありますか?

 使い道に制限はありません 会社の運転資金や設備投資、従業員の福利厚生など、事業主が自由に活用できます。

社労士などの専門家に依頼せず、自社だけで申請できますか?

 可能です。ただし、申請書類の作成や就業規則の整備、賃金計算のチェックなど非常に細かい作業が伴います。不備があると一切支給されないリスクがあるため、社内に労務の専門担当者がいない場合は、社会保険労務士への相談が一般的です。

パソコンやスマートフォンの購入費用は助成対象になりますか?

 原則として対象外です。ただし、POSレジシステムや会計給与システムなど、特定の業務専用システムを稼働させるための導入であることが明らかな場合に限り、例外的に対象となる場合があります。単なる事務用パソコンとしての購入は認められません。


 

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