キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金の申請を検討されている事業主様へ。 当事務所は札幌市を中心に働き方キャリアップ助成金をサポートしています。迅速な相談や労働局への対応が強みです。

北海道・札幌で社労士をお探しの方へ。当事務所のサポート内容はこちらからご覧いただけます。

キャリアアップ助成金の概要

キャリアアップ助成金は、パート、有期雇用、派遣労働者などの非正規雇用労働者の企業内での処遇改善を目的とした制度です。企業が非正規雇用のスタッフを正社員へ転換したり、賃金を一定以上引き上げたりすることで、国から助成金が支給されます。人手不足が深刻化する中、モチベーション向上を、事業の生産性を高め、優秀な人材確保を図る有効な手段として多くの企業に活用されています。

具体的な仕組みと要件

最も代表的な「正社員化コース」では、まず「キャリアアップ計画書」を労働局に提出し、その計画に基づき対象者を正社員へ転換します。受給の大きなポイントは、転換後の賃金を転換前と比較して3%以上増額させることです。また、法定で必要とされている社会保険や雇用保険の加入も必須条件となります。

支給額は、中小企業が「有期雇用労働者を雇入れから3年以上の者等」を正社員化した場合、1人あたり最大80万円が支給されます。さらに、現在は「年収の壁」対策として、雇用する短時間労働者に「社会保険適用時処遇改善コース」なども設置されており、企業の状況に応じた柔軟な活用が可能です。

キャリアアップ助成金は、厚生労働省の助成金は70種類以上ありますが、予算額は1000億円以上であり最も助成金の中でも活用されているものとなっております。その背景として、就業規則を助成金の受給できるように整備し、有期雇用から正社員化にし、賃金台帳や勤怠管理等の書類のを不備なく整う仕組みを行えば受給できるものではないかと考えられます。
昨今では業務改善助成金も助成金の中ではとても人気ではありますがそれでも予算額は500億円弱です。

キャリアアップ助成金のコース

キャリアアップ助成金には、大きく分けて「正社員化」を目指すものと、非正規雇用労働者の「処遇改善(賃金増額や社会保険の加入)」を目指すものの2つのカテゴリーがあります。

1. 正社員化を支援するコース

非正規雇用労働者を正社員へ転換・直接雇用する場合に支給されます。

  • 正社員化コース
    • 内容: 有期契約社員やパート、派遣労働者を正社員に転換した場合に支給。
    • ポイント: 「雇入れから3年以上」などの重点支援対象者に該当するかどうかで、支給額が大きく変わります(中小企業の場合、1人あたり最大80万円)。
  • 障害者正社員化コース
    • 内容: 障害のある有期雇用労働者等を正社員に転換した場合に支給。通常の正社員化コースよりも助成額が手厚く設定されています。

2. 処遇改善(賃金・制度)を支援するコース

賃金アップや、正社員と同じ賃金規程や賞与や退職金制度を導入する場合に支給されます。

  • 賃金規定等改定コース
    • 内容: すべての非正規雇用労働者の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定した場合に支給。増額率(4%以上、6%以上など)に応じて支給額が加算されます。

賃金規定等共通化コース
 内容: 有期雇用労働者等に対して、就業規則や労働協約の定めることにより、正社員と共通の賃金規定を新たに設け適用した場合に支給。

賞与・退職金制度導入コース
 内容: 有期雇用労働者等を対象に、賞与(ボーナス)または退職金制度を新たに導入し、実際に支給・積立てを行った場合に支給。

3. 賃上げや労働時間延長し社会保険適用を支援するコース

雇用する短時間労働者に、賃金総額をを増加させる取り組みや所定労働時間を4時間以上延長するなどを実施し、当該労働者が社会保険の被保険者要件を満たし、その被保険者となった場合

  • 手当等支給メニュー
    • 内容: 新たに社会保険を適用させる際、手当の支給や賃上げによって労働者の手取りを減らさない取り組みを支援。
  • 短時間労働者労働時間延長支援コース
    • 内容: 週の所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用させた場合に支給。

当事務所では、札幌を中心に助成金申請サポートを行っています(全国対応可能です)。詳しくは

計画から支給申請の流れ

キャリアアップ助成金の受給には、「事前の計画」から「支給申請」まで、厳格な時系列に沿った手続きが必要です。

一般的な「正社員化コース」を例に、ステップごとの詳細な流れをまとめました。

STEP
キャリアアップ計画の作成・届出

まず、会社としてどのようなキャリアアップ(正社員化など)を行うか、労働局に届け出る必要があります

  • キャリアアップ計画書の作成: 「キャリアアップ管理者」を選任し、労働組合や労働者に代表から意見を聴取して計画を作成します。
  • 管轄労働局へ提出: 「転換(正社員化)を実施する前日」までに提出しなければなりません。
    注意: 計画届の提出より前に正社員化してしまうと、その対象者は助成対象外となります。
STEP
就業規則の整備(改定)

正社員コースのへ転換するためのルールが就業規則に明文化されている必要があります。

  • 転換規定の追加: 「勤続〇年以上の非正規労働者を試験により正社員に転換する」といった具体的な規定を設けます。
  • 労働基準監督署への届出: 改定した就業規則を労基署へ届け出ます(常時10人未満の事業所は備え付けでも可)。

    そのほかの、処遇改善コースでも就業規則の改定や労働協約で適用する必要があります。
STEP
取り組みの実施

作成した計画と就業規則に基づき、実際に対象者を正社員へ転換します。

  • 雇用契約書の締結: 正社員としての新しい雇用契約書(または労働条件通知書)を交わします。
  • 賃金の3%以上増額: 正社員転換後、転換前(直近6ヶ月)と比較して、基本給や諸手当の総額を3%以上増額させることが必須条件です。
STEP
転換後6ヶ月間の賃金支払い・継続雇用

転換した日から6ヶ月間、正社員として継続して雇用し、正しく賃金を支払います。

  • 雇用保険の加入: もし転換前で短時間労働で雇用保険未該当で転換後は正社員になる場合は速やかに雇用保険に加入させる必要があります。
  • 残業代の適正支払い: 未払い残業代などがあると、審査で不支給となるリスクが高まります。
  • また転換後6か月前に退職した場合は対象外になります
STEP
支給申請の提出

6ヶ月分の給与を支払った翌日から2ヶ月以内に、支給申請書と添付書類を労働局へ提出します。

   

注意すべきこと

1. 就業規則の作成が必須であること
 労働基準法では10人未満の事業所では就業規則の作成は義務ではありません。しかし、キャリアアップ助成金を受給するためには10人未満の事業所であっても作成は義務となります。

2. 転換日の6か月以前から「正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を受けていること
 正社員化コースで、初めてキャリアップ助成金を申請する事業者にとって特に注意してほしいのですが、転換日の前に、「正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等」を6か月以上前から適用受けている必要があります。

3.帳簿の整合性
 出勤簿、賃金台帳、雇用契約書等の内容に矛盾がないか厳しくチェックされます。

4. 事業主都合による離職者の有無
 転換日の前後6ヶ月間に、事業所内で「会社都合の解雇(リストラ)」を行っていると、受給できません。
注意点: 特定の対象者だけでなく、事業所全体での離職理由が問われます。退職勧奨や解雇が予定されている場合は、申請のタイミングに注意が必要です。

5. 賃金台帳と出勤簿(タイムカード)の一致
審査では、厳密に残業代計算が求められます。
注意点: タイムカードの打刻時間と、賃金台帳で支払われている残業手当に乖離があると、不支給になるだけでなく、過去に遡って残業代の支払いを指導されるリスクがあります。

6. 親族(親族経営)の制限
事業主の配偶者や三親等以内の親族は、どれだけ条件を満たしていても助成金の対象にはなりません。
注意点: 経営者の子や兄弟を正社員化しても受給できません。また、実質的に経営を支配している者の親族も対象外となる場合があります。

就業規則の必要性やポイント、Q&Aやを紹介しています。


従業員が10人未満の事業所ですが、就業規則の作成・届出は必須ですか?

必須です。 労働基準法上は10人未満であれば届出義務はありませんが、本助成金の申請には「転換規定」等が明記された就業規則が必要です。

事業主と「密接な関係」にある親族を転換させた場合、助成対象になりますか

 事業主の配偶者や3親等以内の親族などは、原則として支給対象外となります 。

キャリアアップ計画書はいつまでに提出すればよいですか?

 各コースの取組(正社員化や賃金規定の改定など)を実施する前日までに、管轄の労働局へ届け出る必要があります

「重点支援対象者」とはどのような人を指しますか?

 以下のいずれかに該当する労働者を指します

・派遣労働者、母子家庭の母等、特定の訓練修了者

・雇入れから3年以上の有期雇用労働者

・雇入れから3年未満で、過去5年間に正規雇用期間が合計1年以下、かつ過去1年間に正規雇用されていない有期雇用労働者

重点支援対象者とそれ以外で、支給額はどのように変わりますか?

 中小企業の場合、有期から正規への転換で重点支援対象者は80万円(2期分割)ですが、それ以外の者は40万円(1期)となります 。対象者によって助成額が大きく異なるため注意が必要

新卒採用してすぐに正社員転換した場合、助成金はもらえますか?

 令和7年4月以降、新規学卒者(卒業年度の3月31日までに内定を得た者など)で、雇入れから1年未満の者は支給対象外となります 。これは、本来最初から正規雇用できる者を助成金目的で有期雇用することを防ぐための措置です 。

正社員転換後の「3%以上の賃金増額」は、残業代を含めて計算してもよいですか?

 いいえ、残業代(超過勤務手当)は比較対象の賃金に含まれません 。基本給や役職手当など、月によって変動しない「固定的賃金」での比較が原則です 。

試用期間中の労働者を正社員転換した場合、助成金の対象になりますか?

 試用期間は「有期雇用期間」としてカウントされません 。当初から正社員として雇用され、試用期間を設けている場合は「正規→正規」の移動とみなされ、助成金の対象外となります 。

「無期雇用労働者」から正社員へ転換した場合の支給額はどうなりますか?

 令和7年4月以降の取組では、中小企業の場合、重点支援対象者は40万円、それ以外の者は20万円が支給されます 。

助成金で受け取ったお金の使い道に制限はありますか?

使い道に制限はありません。 会社の運転資金や設備投資、従業員の福利厚生など、事業主が自由に活用できます。

社労士などの専門家に依頼せず、自社だけで申請できますか?

可能です。ただし、申請書類の作成や就業規則の整備、賃金計算のチェックなど非常に細かい作業が伴います。不備があると一切支給されないリスクがあるため、社内に労務の専門担当者がいない場合は、社会保険労務士への相談が一般的です。

令和8年度 キャリアアップ助成金予算案のポイントを紹介しています。

助成金の受給相談|札幌の石神社会保険労務士事務所

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